中学校の数学で最初に習うのが、「正負の数」です。この単元では負の数という概念を学び、負の数を使って計算を行います。
算数では負の数は出てきませんでした。そのためなかなか負の数のイメージができない人が多いようです。0より小さい数について、理屈で理解ができていないと、今後の計算がスムーズに進みません。
しっかりと負の数のイメージを学んでスムーズに計算できるようになりましょう。
本記事で学べること
- 「負の数」って何?
- 「0より小さい数」なんてあるの?
- 「−3個増えた」ってどういうこと?
- 「−8」と「−6」はどちらが大きい?
- 正負の足し算と引き算ってどうやるの?
「負の数」とは?
負の数とは、0より小さい数です。0より大きい数を正の数といいます。正の数と負の数を合わせて、正負の数といいます。0は、正の数でも負の数でもありません。
小数でも分数でもない数を整数と言います。整数は負の整数、0、正の整数に分けられます。正の整数のことを自然数ということもできます。

まとめ
- 負の数とは0より小さい数。
- 0は正の数でも負の数でもない。
0の3つの意味
ここである疑問が湧くかもしれません。
「0って何もないことを表す数でしょ?0より小さい数なんてあるの?」
しかし、負の数は存在するのです。なぜなら、0とは何もないことだけを表しているわけではないからです。
1 何もないことを表す0
まずは、「何もないことを表す0」です。例えば、「お小遣い0円」。これはお小遣いがないことを表していますね。これはみんながイメージできると思います。
2 位に数がないことを表す0
次に「位に数がないことを表す0」です。例えば、702という数は、十の位に数がないという意味です。8070も、40003もそれぞれの位に数がないという意味の0です。
3 基準を表す0
3つ目は「基準を表す0」です。0を基準として0より大きい数が正の数、0より小さい数が負の数と考えます。数直線で表すとこうです。

このように、基準を表す0という意味で考えると0より小さい数が存在することがわかります。
日常で負の数が使われている例
では、負の数が実際に使われている証拠を考えてみましょう。実は身近な例は意外と少ないことに気づきます。
例えば温度です。0℃を基準として5℃低い温度を−5℃と表します。気温や水温など日常生活で目にする機会が多いのではないでしょうか。
もうひとつの例として、体重の増減が挙げられます。昨日より体重が1キロ減ったことを、−1キロと表すことができます。
他にもありますが、身近な例は上記の例だと思います。少しは負の数を身近に感じることができたでしょうか。数学ではしょっちゅう出てきますので、負の数に慣れていきましょう。
「−3個増えた」ってどういうこと?
体重が10キロ増えたら、+10キロ、5キロ減ったら−5キロと表します。ではある人が「−5キロ減った」と言ったとしたらどうでしょうか。増えたのでしょうか。減ったのでしょうか。正解は「5キロ増えた」ということです。つまり、負の数を使うことで反対の意味を表すことができます。
例えば、「−10センチ長い」は「10センチ短い」ということになります。反対に「500円増える」は「−500円減る」ということです。
これは、足すと引くという表現にも当てはめることができます。
「7を引く」は「−7を足す」
「2を足す」は「−2を引く」ということです。
この言い換えをスムーズにできることが、後で学ぶ正負の足し算と引き算を行いやすくしてくれます。
「負の数を使うことで反対の意味を表せる」このことをしっかりと理解しましょう。
まとめ
負の数を使うことで反対の意味を表せる。
「−4」と「−1」はどちらが大きい?
では、「−4」と「−1」はどちらが大きいでしょうか。数直線で考えましょう。数直線上では右にある数ほど大きく、左にある数ほど小さいです。つまり数直線上で−1のほうが右にあるので、−1のほうが大きいということです。

数の大小は不等号(<と>)を使って表せます。それぞれの読み方は、<は「小なり」、>は「大なり」です。表し方は、小さい数<大きい数、大きい数>小さい数です。つまりこの場合、−4<−1ということになります。
数の大小の簡単な求め方を学びましょう。そのために知っておきたいのが絶対値です。絶対値とは数直線上での0からの距離のことです。例えば−3の絶対値は3で、2の絶対値は2です。

つまり、正負の数から符号(+や−)を取り除いた数が絶対値といえます。
では絶対値の考え方を使って大小を比べてみましょう。今回は3つの場合に分けて考えます。
1 正の数と負の数
正の数と負の数は、絶対に正の数のほうが大きくなります。
2 正の数と正の数
正の数では、絶対値が大きいほうが大きくなります。なぜなら絶対値が大きくなるほど数直線の右寄りの数になるからです。
3 負の数と負の数
負の数では、絶対値が大きいほうが小さくなります。なぜなら絶対値が大きくなるほど数直線の左寄りの数になるからです。

まとめ
- 正の数は、絶対値が大きいほど、大きい。
- 負の数は、絶対値が大きいほど、小さい。
正負の数の足し算と引き算
ではいよいよ計算をしていきましょう。
今回は6つのパターンに分けて解説します。
本題に入る前に、足し算のことを加法、引き算のことを減法ともいうことをおさえておきましょう。また、加法の結果を「和」、減法の結果を「差」といいます。
1 正の数+正の数
例えば、2+3を考えましょう。「2より3大きい数を求める」ことを意味し、数直線で表すと次のようになります。

ここで、2や3は+2や+3と表すことができますが、「+2++3」のように+−×÷が2つ以上続くときは、かっこをつけて、(+2)+(+3)と表します。しかし、正の数の+は省略することが多いです。
2 負の数+正の数
例えば−2+5を考えましょう。正の数+正の数と同じように考えて、「−2より5大きい数を求める」ことを意味します。数直線に表すと次のようになります。

3 正の数−正の数
例えば5−2を考えてみましょう。「5より2小さい数を求める」ことを意味します。数直線で表すと次のようになります。

答えが負の数になることもあります。1−4は「1より4小さい数を求める」ということになります。数直線で考えるとこのようになります。

答えは、−3という、負の数になります。
4 負の数−正の数
例えば−2−3を考えましょう。正の数−正の数と同じように考えて「−2より3小さい数を求める」という意味になります。数直線で表すと次のようになります。

5 負の数を足す計算
まず、3+(−5)を考えてみましょう。これは今までのように考えると「3より−5大きい数を求める」という意味になります。ここで、「負の数を使うことで、反対の意味を表すことができる」というポイントを使います。「−5大きい数」というのは「5小さい数」という意味でしたね。
つまり「−5を足す」ということは、「5を引く」という意味になるということがわかります。

では(−1)+(−2)は「−1から2を引く」という意味になります。ですから答えはこのように求めることができます。

まとめ
「負の数を足す計算」は「正の数を引く計算」に直して求める。
6 負の数を引く計算
2−(−3)は「2から(−3)を引く計算」ですが負の数は反対の意味を表すので、「2から3を足す計算」となります。よって答えはこのように求めることができます。

−1−(−7)は同じように計算すると6が答えになります。
まとめ
「負の数を引く計算」は「正の数を足す計算」に直して求める。
最後に
これで、正負の数の足し算と引き算ができるようになりました。つまづいたところは、その都度戻ってマスターしてから次に進みましょう。できるようになったら、計算問題をたくさんすることで解き方を体で覚えていきましょう。おすすめの演習教材はこちらです。
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